旧車のレストア

相当渋い車体が入庫。
女性オーナーがドイツで乗っていたそうです。
レストア依頼ですが、困ったのがシマノの3ccという内装3段コースターハブ。
調べると70年代のものらしく当然補修部品などありませんし、あってもビンテージ価格で非現実的です。
それでもなんとかこのままで復活させたいところです。

ところどころ力業でしたが思ったよりはスムーズに分解完了。
次は洗浄・サビ取りでこれが一番大変。。
リム・ハブは再利用で組み直します。

ハブのオーバーホール。
サビ落しは大変なので、回せるものは回しちゃいます。
前後とも中身は良好で一安心。
前ハブは西ドイツ製でした。

リムの頑固なサビはケミカルでは落ちずブラシで削り落としました。
リムも西ドイツ製でした。

星で仮組みしたらヘッドがハブフランジに全然収まりませんでした。
星はDTより1.5mm程首が長い。
スポーク選定は用途以外にも各寸法も考慮が必要ですね。

リム・ハブ再利用でホイール組み。
幸いリム一本は状態が良いのでキャリパー用にフロントへ。
リアはハブ側ブレーキなので多少は大丈夫かと。
リムサイドのディンプル加工に惚れました。

元に戻すイメージで磨いてます。

組み付け前の下ごしらえ。
サビて渋くなっていたスレッドのタッピングをしました。
フェイシングともに最近は必要ない車体も多いですが、うちではまだまだ出番が多いです。

ポジトロン復活。
一体のはずのシフトアウターケーブルが分離してしまってて何度張り直してもプッシュプルの力に耐えられずグズグズに。。
エンドキャップの中で悪さしてるインナーケーブルの残骸を発見するもがっちり刺さってて全然取れず工具を作成。
2液エポキシで接着してとりあえず動作するようになりましたが、デッドストックか程度の良い中古が見つかれば変えた方が良さそうです。

レストア完了です。
ボルト・ナットをステンに変えたり消耗品は現行品を使いましたが、雰囲気を壊さずにレストア出来たかなとホッとしてます。
元はおばあちゃんから受け継いでるものと納車時に伺いました。
手を入れながら乗り続けるのって今はあまりないだけにとても素敵だと思います。